経営方針

コーポレートガバナンス

基本的な考え方

当社は、透明かつ公正な経営組織の確立、経営の重要事項に対する意思決定の迅速化、業務執行の監督機能の強化を通じて、企業の健全性と経営の効率性を向上させることが極めて重要であり、企業価値の向上に資するものと考えています。
この考えを実現していくことが役職員自らの責務であることを強く認識するとともに、法令および規律を遵守し、環境・社会問題に配慮しながら、自由な競争のもとで公正、透明、適正な取引を行い、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会など全てのステークホルダーの信頼に応えるように行動します。
なお当社は、少人数の役職員で事業を運営しており、多数の従業員を有する大規模企業グループと比べると事業活動の情報収集および管理運営が比較的容易であることから、これに即した組織としています。また一方で、この組織の持つ機能が常に有効に発揮されるために、適切な人材を配置し、各部室や委員会など相互の緊張感が維持されるような運営を心掛けています。

コーポレートガバナンス体制図

各会議体および委員会の概要

名称 議長/
委員長
概要 回数
(2022年3月期)

取締役会

取締役会長

原則として月1回開催し、経営に関する重要事項の決定、職務執行状況の監督を行う。

11回

監査役会

常勤監査役

取締役の職務執行および当社の内部統制システムを監査するほか、四半期ごとの決算に関する事項および期末監査報告等について会計監査人から報告を受ける。

12回

経営会議

代表取締役

常勤役員および各担当部長が出席し、取締役会の決定した基本方針に基づき、業務の執行ならびに計画に関する報告および審議を行う。

11回

指名・
報酬委員会

社外取締役

経営陣の選解任など、人事事項の審議を行う。また経営陣の報酬に係る事項等を審議する。委員の過半数および委員長を独立社外取締役で構成。

4回

サステナビリティ委員会

代表取締役

社長を委員長として、サステナビリティ推進室員と各部から選ばれた複数の委員で構成される。委員会は定期的に開催され、活動内容を必要に応じて経営会議および取締役会に報告する。

11回

コンプライアンス委員会

担当執行役員

社長直轄の組織として、委員長と各部から選ばれた複数の委員で構成される。委員会は定期的に開催され、活動内容を社長、必要に応じて経営会議および取締役会に報告する。

4回

リスク管理委員会

担当執行役員

社長直轄の組織として、委員長と各部から選ばれた複数の委員で構成される。委員会は定期的に開催され、活動内容を社長、必要に応じて経営会議および取締役会に報告する。

5回

取締役および監査役の選任プロセス

取締役・監査役候補者については、各候補者の人格・識見・能力・経験・貢献期待などを総合的に判断して決定しており、特に高度な専門性を有する弁護士・会計士の資格保有者および経営経験者を社外役員として活用することによる監督機能強化の視点を重視しています。
取締役候補者については、代表取締役が案を作成し、指名・報酬委員会での審議結果の報告を踏まえて、取締役会で審議・決定します。
監査役候補者については、代表取締役が案を作成し、会社法の規定に従い監査役会の同意を得たうえで、取締役会で審議・決定します。
会長・社長の選解任については、指名・報酬委員会での審議を踏まえて取締役会で審議・決定いたします。
なお、指名・報酬委員会が会長・社長の解任事案等で必要と認めた時は、指名・報酬委員会の構成から社内取締役を除き、社外取締役および社外監査役の意見を求めたうえで取締役会に答申します。

役員一覧表(スキルマトリクス、各会議出席状況等)

氏名 指名・報酬委員会 性別 在任期間 専門性
(◎は社外役員に特に期待する分野)
企業経営 財務会計 法務リスク管理 業界知見 建築 技術エネルギー

取締役会

南 浩一

常勤

男性

6年

若林 常夫

常勤

男性

1年

伊勢村 誠介

常勤

男性

2年

𠮷田 享司

社外

独立

男性

5年

野村 雅男

社外

独立

男性

3年

辻 卓史

社外

独立

男性

2年

竹田 千穂

社外

独立

女性

-

監査役会

西田 滋

常勤

男性

3年

長澤 秀治

社外

独立

男性

1年

上條 英之

社外

独立

男性

-

  1. 上記の一覧表は、各役員が有する全ての知見および経験を表すものではありません。

独立社外役員の独立性判断基準

当社は、コーポレートガバナンスにおいて客観性・透明性を確保するための社外役員の独立性に関する基準を以下の通り定めており、社外役員が以下の基準に該当しない場合に、独立性を有しているものと判断しています。

1

当社の主要な取引先※1またはその業務執行者※2

2

当社を主要な取引先とする者またはその業務執行者

3

当社の主要株主※3
(法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者)

4

当社が主要株主となっている法人の業務執行者

5

当社の会計監査人である監査法人に所属する者

6

当社から役員報酬以外に年間10百万円を超える金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家
(※当該財産を得ている者が法律事務所、監査法人、コンサルティングファーム等の法人、組合等の団体の場合は、当該団体に所属する者)

7

当社から年間10百万円を超える寄付を受けている者(当該多額の寄付を受けている者が法人、組合等の団体の場合は、当該団体に所属する者)

8

当社との間で、役員の相互就任の関係にある先に所属する者

9

配偶者または2親等以内の親族が上記1から8までのいずれかに該当する者

10

過去3年間において、上記1から8までのいずれかに該当していた者

11

社外役員としての在任期間が通算で8年を経過している者

12

その他、一般株主との利益相反が生じるおそれがあり、独立した社外役員として職務を遂行できないと合理的に判断される事情を有している者

  1. 「 主要な取引先」とは、次に掲げる者をいう。
    1. 当社と取引があり、年間取引金額が双方いずれかにおいて連結売上高の2%以上である者
    2. 当社が借入をしている金融機関であって、借入残高が当社の連結総資産の2%以上である者
  2. 「業務執行者」とは、業務執行取締役、執行役および執行役員をいう。
  3. 「主要株主」とは、直近の事業年度末において、自己または他人の名義をもって議決権ベースで10%以上を保有する株主をいう。

指名・報酬委員会の活動状況

当社は、経営陣の人事・報酬に関する事項について客観性・透明性を確保することを目的として、独立社外取締役が委員の過半数を占め、うち1名を委員長とする指名・報酬委員会を設置しています。指名・報酬委員会は、以下の事項につき取締役会に先立って審議を行い、その結果を取締役会に報告しています。
指名・報酬委員会での審議事項は最終的に取締役会で決議されますが、当社取締役会は指名・報酬委員会の委員を兼ねる独立社外取締役が過半数を占めているため、委員会の独立性と権限は十分に確保されているものと考えています。

1. 経営陣幹部の人事に関する事項

  • 取締役候補者の選任および取締役の解任に関する株主総会議案
  • 取締役の選任に関する基本方針、規則および手続等の制定、変更、廃止
  • 代表取締役、取締役会長の選任および解任
  • 社長執行役員の後継
  • 執行役員の選任および解任
  • その他指名・報酬委員会が必要と認めた事項

2. 経営陣幹部の報酬に関する事項

  • 取締役・執行役員の個人別の報酬の内容
  • 取締役・執行役員の報酬に関する基本方針、規則および手続等の制定、変更、廃止
  • その他指名・報酬委員会が必要と認めた事項
委員会の名称

全委員

委員長
(議長)

開催回数
(2022年3月期)

うち社内
取締役

うち社外
取締役

指名・
報酬委員会

6名

2名

4名

社外取締役

4回

役員報酬について

2022年3月期の役員報酬支給実績

区分 支給
人数
報酬の種類別の総額 報酬の総額
基本報酬 業績連動報酬 非金銭報酬

取締役

8名

129,300千円

14,314千円

31,307千円

174,921千円

うち社外取締役

5名

33,000千円

-

-

33,000千円

監査役

4名

40,200千円

-

-

40,200千円

うち社外監査役

3名

15,300千円

-

-

15,300千円

  1. 支給人数には、2021年6月18日開催の第98回定時株主総会終結の時をもって辞任した取締役1名および任期満了により退任した監査役1名を含んでいます。
  2. 取締役 上記のほか、使用人兼務取締役に対して使用人給与17,665千円を支給しています。

取締役報酬の決定方針

当社の取締役の報酬は、株主価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としています。
報酬の決定方針および個人別の報酬額については、委員の過半数を独立社外取締役が占める指名・報酬委員会での審議を経て取締役会にて決議しています。

報酬の内容

業務執行取締役

固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬としての賞与、株主利益と連動した非金銭報酬としての譲渡制限付株式により構成いたします。個人別の報酬の割合については、中期経営計画目標の達成に向けて期待される役割に応じて上位の役位ほど業績連動報酬の比率が高まる構成とし、指名・報酬委員会において検討を行います。

取締役会長

取締役会長は直接的に業務を執行しませんが、取締役会の議長として中長期的な株主価値の向上に期待される役割を勘案し、その報酬は固定報酬としての基本報酬に加え非金銭報酬としての譲渡制限付株式により構成します。

社外取締役

その職務に鑑み基本報酬のみを支払うことといたします。

支給額のイメージ
※業績指標の達成度100%の場合

報酬の額

基本報酬

基本報酬は月例の固定報酬とし、当社の業績、各自の担当職務・能力・会社の持続的な成長への貢献度等を総合的に勘案して決定します。

賞与( 業績連動報酬)

業績連動報酬は事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるため業績評価指標を反映した現金報酬とし、当社の重要な業績指標である、各事業年度の連結税引後償却前経常利益の中期経営計画目標値に対する達成度合いに応じて算出された額を、賞与として毎年一定の時期に支給します。

(参考) 税引後償却前経常利益の実績と中期経営計画の最終年度目標(百万円)

2020/3 2021/3 2022/3 2026/3
(目標)

5,802

5,796

7,117

10,000

譲渡制限付株式

株主価値と連動した株式報酬として、対象となる取締役会長および業務執行取締役の担当職務・能力・会社の持続的な成長への貢献度等を総合的に勘案して算出された株数を、毎年一定の時期に付与します。

決定方法

個人別の報酬額については代表取締役が報酬案を作成し、指名・報酬委員会での審議結果を踏まえて、取締役会で審議・決定しています。なお、譲渡制限付株式報酬についても、指名・報酬委員会での審議結果を踏まえ、取締役会で個人別の割当株式数を決議しています。

政策保有株式

当社の政策保有に関する方針

当社は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると認められない株式保有は行いません。株式保有の意義については、個別銘柄ごとに、配当金・賃貸利益等の関連収益が資本コスト等に見合っているかなどの定量的な観点および取引関係などに係る定性的な観点を踏まえて、毎年取締役会において検証を行い、保有の意義が乏しいと判断される銘柄については売却を検討します。
その結果、コーポレートガバナンス・コードが施行された2015年以降で政策保有株式として保有する上場株式のうち4銘柄について全て売却し、2022年3月末時点の保有銘柄数は2 6銘柄となっています。また、3銘柄についても一部売却を行い、この間の売却総額は約100億円となっています。

政策保有株式として保有する上場株式の推移

2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
2022年
3月期

期末の貸借対照表計上額
(百万円)

14,761

12,286

11,567

9,432

期中の売却額
(百万円

351

784

6,530

2,468

事業ポートフォリオに関する方針と見直しの状況

当社は、オフィスビル、データセンタービル、ウインズビル、商業施設・物流倉庫など多様な物件を賃貸していますが、事業ポートフォリオは土地建物賃貸事業の単一セグメントとして認識し、中長期的な視点での持続的成長を目指しています。新規投資にあたっては、地域分散や立地を重視した投資を行うことにより、景気変動や災害発生時の損失リスクを最小限に抑えるよう努めています。また、資産の入れ替えやバリューアップ投資等により、収益性低下の防止にも取り組んでいます。
保有物件の収益性、成長性、競争優位性等につきましては、毎年、取締役会において、物件ごとに、資本コストとの比較や投資回収期間などの定量面と、経営計画における投資方針やエリアポテンシャルなどの定性面の両面から検証を行っています。

(参考)過去5年間の取得・売却物件

取得・売却 時期 物件

売却

2018年4月

旭川商業施設

売却

2018年7月

逆瀬川ビル

売却

2020年4月

遠矢浜倉庫

取得

2020年11月

虎ノ門ビル

取得

2021年4月

OBPビル

取得

2022年12月

南青山土地

取得

2023年1月

関目高殿住宅

取締役会の実効性の分析・評価

当社は、取締役会の実効性確保および企業価値の向上を目的として、2017年より取締役会による自己評価を実施しています。
2022年については、1〜2月に外部機関が取締役および監査役全員に質問する形でアンケートを行い、3月に外部機関による集計結果の報告を踏まえたディスカッションを実施しました。
その結果、当社取締役会の実効性について総じて肯定的な意見が得られ、昨年に課題として挙がっていた事項のうち、社外役員へのトレーニングの機会提供のあり方については、社外役員の関心の深いテーマを選定した役員向け研修会の実施等により改善していることが確認されました。また、取締役会については、全体として適切に運営されているとの評価の下、各議題の説明と審議時間の配分に関し建設的な意見・提案がなされました。
他方、取締役会の場以外での社外役員間の意見交換の機会提供や、サステナビリティへの取り組みに関する取締役会の監督機能等について、課題認識を共有しました。

課題への取り組み状況

過去に指摘された課題 課題に対する取り組みの状況

取締役会の多様性

  • 独立社外取締役を段階的に増員し、取締役の過半数を独立社外取締役で構成
  • 女性役員を登用

より客観的な実効性評価の実施

  • 外部機関によるアンケート ・集計結果報告に基づく評価を毎年実施

経営計画に係る議論のさらなる活発化

  • 取締役会で経営計画の進捗等につき定期的に議題を設定し議論

社外役員への情報提供の充実

  • 社外役員の関心の深いテーマを選定した役員向け研修会を実施
  • 保有物件の視察会と併せて業界動向等の報告会を実施

執行役員制度

当社は2018年4月より、執行役員制度を導入しています。執行役員は、毎月の経営会議、また必要に応じて取締役会に出席し、取締役会決議に基づく業務執行のほか、業務執行の方針や策定した計画などを報告しています。執行役員制度は、経営の執行と監督を分離し、取締役会の監督機能の強化および業務執行の効率化を進め、取締役会の活性化を図るために導入しました。また取締役会の多様性確保のため、社内人材の役員登用の土台をつくることも目的としています。

株主との建設的な対話に関する方針

株主との対話については管理部門担当執行役員が統括しており、社内の関連部署は、建設的な対話の実現に向け、必要な情報の提供など随時連携をとりながら対応しています。
株主に対しては、社長および管理部門担当執行役員が説明を行う会社説明会、当社ホームページ上での情報開示等の実施により、当社の経営戦略や事業環境に関する理解を深めていただくよう努めています。
会社説明会等で株主やアナリストから寄せられた意見・要望などについては、対話のさらなる充実に役立てるとともに、経営陣および関連部署に適宜フィードバックして経営戦略のレビュー等に積極的に活用しています。
決算発表前の期間は沈黙期間として株主との対話を制限するほか、インサイダー情報については社内情報管理の徹底を図っています。

個人投資家向け会社説明会
リアル(対面)形式とオンライン形式で実施

取締役・監査役に対するトレーニング

当社は、新任取締役および新任監査役に対しては、個々の必要に応じて外部機関も活用しながら、法令上の権限および義務等に関する研修を行っており、またその後も取締役および監査役に対して業務上の必要に応じたテーマの研修や保有資産の視察等の機会を提供しています。
2022年3月期は、当社物件の視察会のほか、気候変動への対応や情報開示をテーマとした研修会を実施しました。

社外役員OBPビル視察

監査役、会計監査人、内部監査部門の連携状況

監査役は会計監査人から定期的に監査報告を受けているほか、会計基準・会計方針の変更や、その他当社の業績に重要な影響を与える可能性のある事項については、都度打ち合わせを実施することで情報共有を図っています。
監査役と内部監査部門の間では、毎月1回常勤監査役と監査室との連絡会を実施することで情報共有を図っているほか、監査役会においては四半期ごとに、監査室長から直接、内部監査報告が行われています。
このように監査役、会計監査人、内部監査部門が密に連携することを通して、監査の実効性向上に努めています。

内部監査部門の活動状況

内部監査部門である監査室は、取締役会決議を受けた内部統制システムに基づき、各部署の役職員に対するヒアリング、書類などの調査のほか、各委員会を中心としたコンプライアンス活動状況、リスク管理状況について適宜監査を実施し、結果については取締役会や監査役会において直接報告を行っています。また、内部監査によって問題を指摘した際には、必要に応じて改善提案を行い、提案の通り問題が改善されているかフォローアップを行っています。

コンプライアンス

基本的な考え方

当社は、コンプライアンスの確立を経営の重要課題の一つと位置づけ、法令などの社会規範および社内規程などの社内規範を遵守するため、「コンプライアンス規程」を設けています。この規程に基づいて、コンプライアンス体制を構築し、各種施策を実施しています。

コンプライアンス体制図

推進体制

コンプライアンス委員会

コンプライアンス経営に基づく社内の体制を整備し、健全な社風を維持し向上させるため、社長直轄の全社横断的な組織として「コンプライアンス委員会」を設置しています。委員会は定期的に開催し、活動内容を社長に報告するほか、必要に応じて経営会議および取締役会に報告しています。委員会では「行動基準」の策定、コンプライアンス施策の実施状況の把握・調査、再発防止策の策定等を行っています。また、社内勉強会等を通じて、全ての階層の従業員に対してコンプライアンス教育・研修を行っています。

社内勉強会の様子

社内報告相談制度

コンプライアンス違反行為などの報告・相談を受けつけるため「社内報告相談制度」を設け、従業員等からの報告・相談を受けつけています。窓口は社内のほかに外部弁護士事務所を指定し、報告相談者への不利益な取扱いを一切禁じ、報告相談者の職務環境が悪化することのないよう、適切な措置を講じることとしています。また、担当執行役員による定期的な取締役会への報告を通して、取締役会は制度の運用状況を監督しています。

監査室

監査室はコンプライアンス委員会とは別に、コンプライアンスの状況について適宜監査を実施し、その結果を社長およびコンプライアンス委員会、必要に応じて経営会議および取締役会に報告しています。

社内報告相談制度

個人情報の保護

当社は、適法かつ公正な手段により個人情報を取得し、事業活動や株主権の行使・義務の履行など、業務上必要な範囲でのみ利用します。取得した個人情報は当社が定めた規程に則り厳正かつ安全に管理し、外部からの不正アクセスや、個人情報の漏えい、紛失、改ざん等に対しても、必要かつ合理的な対策を行っています。また、個人情報の取り扱いを当社以外の企業に委託する場合には、委託先による個人情報の取り扱いについても厳正に監督・管理しています。

リスクマネジメント

基本的な考え方

当社のリスクマネジメントは、経営方針の実現、企業活動を遂行するうえでの全てのリスクを可能な限り排除し、全てのステークホルダーの安全と利益を確保するとともに、緊急事態における速やかな対応、業務の早期復旧を図ることを目的としています。

推進体制

当社を取り巻くさまざまなリスクについては、リスク管理の方法や対応方針などの基本事項を「リスク管理規程」として定め、この規程に基づき全体的なマネジメントを行うため、社長直轄の全社横断的な組織として「リスク管理委員会」を設置し対応しています。委員会は定期的に開催し、活動内容を社長に報告するほか、必要に応じて経営会議および取締役会に報告しています。委員会では、当社が持つリスクを一つ一つ認識・評価し、そのリスクの特性に応じた対策の立案・進捗管理と定期的な見直しを行っており、総合的なリスクの管理状況をとりまとめています。

主要リスクへの取り組み

分類 リスクの内容 リスクへの対応状況

営業リスク

土地建物
賃貸事業

  • 景気動向、企業業績、ビルの需給動向の影響を受け、賃料の低下や空室率上昇が当社の業績に影響する可能性
  • 不動産取得時の多額の不動産取得税や登録免許税の費用計上による大幅な業績変動
  • 多様な賃貸事業の展開(オフィスビル、データセンタービル、ウインズビル、商業施設・物流倉庫)により、市況変動の影響を低減
  • 今後も4つの事業をバランスよく発展させつつ、中長期的な採算重視の新規投資によりリスクを低減

地域集中

  • 物件が関西圏(特に大阪府)に集中しており、大阪地区での大規模災害、需給動向の影響を大きく受ける可能性
  • 首都圏を中心に関西圏外での投資を推進し、地域集中リスクを分散

特定の取引先への依存

  • 売上依存度10%超の取引先が3社あり、 各社の動向が当社の業績に影響する可能性
  • 既存ビル空室への誘致、新規ビル開発や取得を通じ入居テナントを多様化
  • 適切なサービス提供やリレーション強化を通じ、退去リスクの低減、賃料水準の維持と改善

資源価格の変動

  • 電気料金の値上げによる運営コスト増加
  • 建築資材の値上げによる開発コスト増加
  • リスク回避は困難であるものの、情報を適切に収集し影響を開示

災害リスク

自然災害、人的災害

  • 顧客、建物や設備が被害を受け、業績および財政状態に影響( 大規模な地震、風水害等の自然災害、火災、テロ等の人的災害)
  • BCP対応ビルへのリニューアル
  • BCP策定と訓練によるレジリエンス強化

感染症の拡大

  • 新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による、経済情勢の悪化と当社の業績への影響
  • 少人数経営で効率的に事業運営を行う反面、社内の感染拡大により事業活動に支障が出る可能性
  • 飲食・小売等のテナントは少なく、業績への影響は比較的低い
  • 在宅勤務や時差出勤等の柔軟な働き方の促進や消毒等の感染予防策の徹底により、従業員の健康と安全を維持

気候変動
リスク

移行
リスク

  • 省エネ規制の強化や炭素税の導入による対応コスト、税負担の増加
  • 省エネ推進の強化
  • 再生可能エネルギー利用の検討

物理的
リスク

  • 風水害の激甚化により顧客、建物や設備が被害を受け、業績および財政状態に影響
  • 重要設備の上層階への移設や防潮板の設置、予防保全の強化
  • BCPの策定と訓練によるレジリエンス強化

財務リスク

資産価格の
変動

  • 当社保有資産(土地・建物・有価証券等)の時価下落による減損損失の計上
  • 物件の入れ替えやバリューアップ等により、収益性低下を防止
  • 投資有価証券は毎年取締役会で個別銘柄ごとに保有意義を検証し、保有意義の乏しい銘柄の売却を検討

有利子負債への依存

  • 有利子負債の金利変動
  • 低金利環境を活かした金利の低減・固定化
  • 平均返済期間の長期化

法令、
税制の変更

  • 不動産や建築に関する法令や条例変更による、土地建物賃貸事業、ビル管理事業の業務遂行上の規制、業績への影響
  • 税制や会計制度変更による、当社の業績や財政状態への影響
  • リスク回避は困難であるものの、関連する法令や税制、会計制度の情報を適切に収集し影響を開示

情報リスク

情報セキュリティ

  • 従業員による紛失、改ざん
  • 外部からの不正アクセスなどによる、企業活動や業務に関する情報、個人情報の漏洩
  • 社内システムへのサイバー攻撃による、業務遂行への影響
  • 社内規制の整備による、従業員のコンプライアンス意識の向上
  • 個人情報の取扱委託先に、個人情報の利用目的や取り扱いについて開示請求、委託先を厳正に管理、監督
  • 情報セキュリティの管理体制を整備