環境への取り組み

環境に対する基本方針

環境課題に積極的に取り組み、未来の豊かな環境と事業活動との両立を目指します。

気候変動に対する方針

当社は、気候変動問題が自然環境と社会構造に劇的な変化をもたらし、当社の経営とビジネス全体に与える重大な課題(マテリアリティ)であると認識しております。この認識のもと、長期的で不確実性の高い気候変動に対する事業影響を評価し、脱炭素社会への移行ならびに気候変動や海面上昇などによる物理的な影響といった中長期的な変化に対しても適切に対応できるよう、社内体制の構築、エネルギー利用の効率化、GHG(温室効果ガス)排出量削減等の対応の実施に努めます。

TCFD提言に基づく情報開示

当社は、2021年11月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明しました。賛同表明を機に気候変動が及ぼす当社事業への影響の評価などを行い、2022年6月から、TCFDが提言するフレームワークに沿った気候変動関連の情報開示を行っています。
投資家が適切な投資判断を行うために、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題が企業に及ぼしうる財務的影響についての情報開示の拡充が求められていることから、当社は、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題への取り組みが当社の中長期的な企業価値の向上に資することを改めて認識しています。

2023年度のGHG排出量(Scope1、Scope2)については、独立した第三者である仰星監査法人による第三者保証を取得しています。

資源の持続可能な利用と循環型社会への貢献

建物の長寿命化や、廃棄物の削減、節水等を通して、限りある資源の有効活用に努め、循環型社会の実現に貢献します。

取り組み目標

【1】2031/3期までにScope1+2のGHG排出量を46%削減(2020/3期比)

【2】2051/3期までにGHG排出量(Scope1,2,3)のネットゼロ達成

【3】2031/3期までにグリーンビル認証取得推進(全物件の延床面積の50%以上)

延床面積の50%以上を目標として、グリーンビル認証の取得を目指し、ビルの省エネ・安全性能と節水性能の向上、 躯体の長寿命化運用を推進します。

取り組み

目標とKPIの進捗・実績

GHG(温室効果ガス)削減

KPI:2031/3期までにScope1+2のGHG排出量を46%削減(2020/3期比)

   2051/3期までにGHG排出量(Scope1,2,3)のネットゼロ達成

2024年3月期の当社のサプライチェーン排出量は、Scope3が全体の約96%を占めています。
Scope3の中でも賃貸物件のテナント(お客さま)の事業活動によって排出されるGHGの割合[カテゴリー13部分]が約88%と、当社のサプライチェーン排出量全体のうち約85%は、賃貸物件のテナント(お客さま)の事業活動によって排出されるGHGという構成になっています。この特徴的な構成は、当社がデータセンタービル賃貸を行っていることによるものです。
データセンタービルはオフィスビルと比較すると、IT機器の稼働や冷却のために、大量の電力を使用する施設ではありますが、各地に散在するサーバなどのIT機器を省エネ性能の高い最新のデータセンタービルに移行して利用いただくことなどで、社会全体で見れば省エネならびにGHG排出量の削減に一定の貢献をしていると考えています。
当社全体でのGHG排出量の削減には、テナント(お客さま)と協働での省エネへの取り組みの推進や、再生可能エネルギーの利用を検討いただくことが必須と考えており、引き続き、テナント(お客さま)と協働でのGHG排出量の削減への取り組みを進めてまいります。


img_01.png

2024年3月期 Scope1、2、3の割合 img_02.png

img_00.PNG

※第三者保証機関による指摘を受け、過年度実績を見直しています。これまでにScope2として
 算定していた一部オフィステナント専有部の証明・空調電力について、テナント(お客さま)
 の電力利用であり、Scope3として仕分けるべきとの指摘を受けてScope間の仕分けを見直し
 ました。
※☑を付したデータは、独立し第三者である仰星監査法人による第三者保証を受けています。
※GHG排出量は、GHGプロトコルを用いて算出しています。
※Scope1,2については、年度中に使用したエネルギー使用量等(実測値または推計値)を基に  地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく排出係数等を使用して算出しています。


エネルギー使用量

KPI : 2031/3期までに、省エネを通じてエネルギー消費原単位を2020/3期比で10%削減

img_05.png

再生可能エネルギーの利用

KPI : 2051/3期までに、Scope2の再生可能エネルギー由来の電力比率100%を達成

エネルギー使用に伴うGHG排出量の削減のため、省エネ推進と同時に、再生可能エネルギー由来の電力の導入にも取り組んでいます。2024年3月期から一部の保有物件で使用電力の再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを行っています。


img_99.PNG

またScope3についても、テナント(お客さま)と協働してGHG排出量削減にむけた
取り組みをすすめており、府中ビルでは
屋上に太陽光パネルの設置を行いました。

京阪神 府中ビル 太陽光パネル

グリーンビル認証取得面積率

外部評価を通じて、保有するビルの状態を客観的に把握すると同時に、さらなる改善・向上のための参考とするべく、CASBEE不動産評価認証、BELS評価認証などグリーンビル認証の取得を推進しています。

CASBEE不動産評価認証の概要

CASBEE(建築環境総合性能評価システム)は、建築物の環境性能を総合的に格付けする手法で、省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮に加え、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。制度の内容等につきましては、下記リンク先をご参照ください。

CASBEE不動産評価認証の取得状況

当社が取得しているCASBEE不動産評価認証は以下の通りです。

KPI:2031年3月期までに、保有物件に占めるグリーンビル認証取得物件の面積率50%以上を達成、今後の新築物件のグリーンビル認証取得100%

graph_02.jpg グリーンビル認証取得面積率推移

BELS評価認証の概要

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)は、国土交通省の「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、非住宅建築物を対象とした省エネルギー性能等に関する評価・表示を行うもので、改正省エネ基準(2014年4月1日完全施行)に準じた評価方法が採用されています。制度の内容等につきましては、下記リンク先をご参照ください。

BELS評価の取得状況

当社が取得しているBELS評価認証は以下の通りです。

  • BELS Certification assessment ranking

2024年3月期の売上高193億円のうち、グリーンビル認証取得物件9棟による売り上げは70億円と全体の約36%となっています。

循環型社会の実現に向けた取り組み

建物の長寿命化運用

当社はスクラップ&ビルドではなく、建物を長く使うことで資源を節約し、廃棄物の排出を抑制しています。また、「予防保全」という考えのもと、修繕や更新工事を適宜適切に実施することで、重大事故の防止とビルの長寿命化を実現しています。当社が本社を構えている瓦町ビルは、竣工が1962年4月と築60年を超えるビルになりますが、1999年に全館リニューアルを行い、最新の機能がアンティークな内装に調和するオフィスビルとして古さを感じさせることなく現役稼働しています。

高い省エネ性能(虎ノ門ビルの例)

虎ノ門ビルでは、エアフローウィンドウ、個別空調システム、システム天井用LED照明を採用。センサーによる自動調光など、ハイスペックな省エネ性能で環境に貢献しています。

  1. 外部のガラスと内部のガラスの間に空気を流すことで夏の西日、冬の寒さを緩和し、快適性と省エネルギーの両立を実現します。

エアフローウィンドウ部分断面図

水使用量、廃棄物排出量の削減に向けて

当社は、限りある資源の適切な活用は、環境や地域社会を守り、循環型社会の実現に資するとともに、当社の持続的な成長に不可欠であると考えています。この認識のもと、当社は水使用量と廃棄物排出量の削減に向けた方針を策定し、節水、廃棄物削減に取り組んでいます。