政策保有株式・事業ポートフォリオ
政策保有株式
政策保有株式に関する方針
当社は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると認められない株式保有は行いません。株式保有の意義については、個別銘柄毎に、配当金・賃貸利益等の関連収益が資本コスト等に見合っているかなどの定量的な観点および取引関係などに係る定性的な観点とを踏まえて、毎年取締役会において検証を行っています。
一方で、2024年3月期末時点で16.6%となっている政策保有株式の連結純資産額に対する割合を、長期経営計画におけるフェーズⅠ最終年度(2028/3期)までに10%以下とする目標を発表しました。今後、取締役会における保有意義検証の結果を踏まえながら、目標の達成に向け政策保有株式の売却を進めていきます。
なお、2024年3月末現在、政策保有株式として上場株式25銘柄、非上場株式7銘柄を保有していますが、コーポレートガバナンス・コードが施行された2015年以降で政策保有株式として保有する株式8銘柄について全て売却したほか、3銘柄についても一部売却を行い、この間の売却総額は117億円となっています。
政策保有株式として保有する上場株式推移
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
2024年 3月期 |
|||
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期末の貸借対照表計上額(百万円) |
12,629 |
11,910 |
9,775 |
9,607 |
12,449 |
||
期中の売却額(百万円) |
784 |
6,530 |
2,468 |
1,087 |
297 |
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政策保有株式純資産対比(%) |
19.7 |
17.0 |
13.9 |
13.6 |
16.6 |
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政策保有株式の保有銘柄数 |
上場 |
27 |
27 |
26 |
26 |
25 |
|
非上場 |
8 |
8 |
8 |
7 |
7 |
政策保有株式に係る議決権行使の基準
政策保有株式に係る議決権行使については、投資先企業が株主をはじめとするステークホルダーの期待に応えて中長期的な企業価値の維持向上につながる経営を行っているかどうかの観点から、総合的に賛否を判断して議決権を行使します。投資先企業の業績不振の長期化、経営の不安定化、法令違反の不祥事発生等の事態が生じた場合には、議案の趣旨をよく確認し、株主としての当社の利益を毀損する提案に対しては、会社提案・株主提案のいずれにも反対します。
事業ポートフォリオに関する方針と見直しの状況
当社は、オフィスビル、データセンタービル、ウインズビル(場外勝馬投票券発売所)、商業施設・物流倉庫など多岐にわたり特色ある賃貸事業を基盤に、中長期的な視点での持続的成長を目指しています。新規投資にあたっては、地域分散や立地を重視した投資を行うことにより、景気変動や災害発生時の損失リスクを最小限に抑えるよう努めているほか、資産の入れ替えやバリューアップ投資等により、収益性低下の防止にも取り組んでいます。
現在の当社の経営戦略では、企業価値向上のための取り組みとして事業が生むキャッシュフローの最大化を優先的に位置づけていますが、利益ベースで資本コストを上回るリターンを実現することの重要性についても認識しており、毎年、取締役会において、事業ポートフォリオの検証を行っています。具体的な検証にあたっては、個別物件ごとに、資本コストと収益性の比較や投資回収期間などの定量面と、経営計画における投資方針との適合性や物件所在エリアの成長性といった定性面の両面から評価し、継続保有や建て替え、売却といった方針を見直しています。
こうしたポートフォリオの検証の結果も踏まえ、中長期的に資本コストを上回るリターンを実現し続けるには、資産の回転による収益の最大化と資本効率の向上が必要と認識しており、新たに策定した長期経営計画では、不動産賃貸事業に加えて資産回転型事業に取り組むことを通じた、資本効率の向上を掲げています。